『East meets West 軽井沢』 Vol.1 ~軽井沢彫りの家具を訪ねて~
07/2000
みなさんは軽井沢彫りをご存知ですか?
明治21年にアレキサンダー・クロフト・ショー氏が軽井沢に別荘を建てた後、多くの外国人宣教師や外交官の人々が軽井沢を夏の避暑地としてやって来るようになりました。
その頃から、西洋の生活様式と洋風建築に合う家具が、ここ軽井沢でつくられるようになったそうです。
これは旧軽井沢銀座の土屋写真館さんで見せて頂いたベンチです。
樹木全体と富士山をモチーフにした彫りは見事です。
そして、日光から来た彫り職人が様々な彫刻を家具に施した事が、軽井沢彫りの始まりと言うことです。
なかでも日本を象徴する「桜模様」をデザインしたものが、夏のあいだ軽井沢の別荘に住む外国人避暑客の間で大変喜ばれたそうです。
土屋写真館さんには、明治の頃からの貴重な軽井沢の写真が店内に飾られていました。
特に大八車にわらじを履いた日本人農家の人達と一緒に、おしゃれな自転車とともにドレスとタキシード姿で映っている当時の人たちの写真を見ると文化の違いをはっきりと感じます。
(このモノクロ写真は土屋写真館さんで販売をしています。)
これは、軽井沢彫りでは珍しい竹と桜が対に成ったデザインの椅子。
今から95年前に造られたというのですから、もう間違いなくアンティークです!
脚のデザインに特徴が有り、「描脚の家具が軽井沢彫りに有るよ。」と聞いていた私はもうもうドキドキしてきました。
出ました!描脚の小テーブル。
外国人の希望で造り始めたと言う事でしたが、まさしく「東洋と西洋の出逢い」に触れました。
この彫刻も竹と同様、現代では珍しい「ボタンの花」をモチーフにしています。
これはどうやら徳川3代将軍家光が、牡丹を好きだったこと事から、日光彫りの彫り師が彫刻したらしいと言うお話です。
そしてこれは、ある政治家の方の別荘に残っている軽井沢彫りのテーブル。
書斎で使っていらしたそうですが、シンプルなデザインの家具も彫刻をすることで、まるで18世紀の西洋家具のようです。
今年のように猛暑が続くと、こんな美しい庭のある別荘がほしくなりますよね。
土 屋 写 真 館
長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢
Phone:0267-42-2167